【完】すき、好き、大スキ。
グズグズと鼻を啜り、
歩くあたしの携帯に着信を知らせる音が鳴り響いた。
「ばい゙」
思いっきり鼻声だけど気にせず通話ボタンを押したあたしに
『あ、ユリアだけど』
「あ゙、ユ゙リ゙ア゙?」
『やっぱり課題が進まなくて泣いてんだね!?』
「へ?」
『任しときなって! 明日、梢を救おう勉強会してあげるから』
「……うぅ~」
弱ってる時に卑怯だよー。
そんな優しい事ー。
子供が泣くように唸るあたしにユリアは優しくて。
でも。
『明日、皆バイトとかあって16時からだけど夜中まで手伝ってあげるから!』
「へ? 皆?」
『そ。16時に神楽ん家、集合ね!』
「……えっ!? ちょっと待っ」
『あー、ごめん! バイトの休憩終わっちゃう。じゃあ明日ねー』