【完】すき、好き、大スキ。
「あ、は?」
なんて笑うあたしに
「だね! 考えたくないくらいに難し過ぎるよねー」
ユリアが答えてくれて、周りもうんうんと頷いた。
あ、問題じゃなくてね。
本当は璃久の事なんだけど。
「あー、あたしトイレ行って来る」
居ても立ってもいられなくなって、
気分展開も兼ねて外の空気でも吸おうと思い神楽の部屋を出た。
璃久の部屋の前を通り過ぎ、階段を降り、玄関へ向かった。
ドアを開けると、秋の匂いを含んだ風が心地よい。
だけど、あたしはそんな事なんて気にしてられなくて。
璃久が帰ってくるであろう方向をキョロキョロして探した。
まだ帰って来る時間じゃないんだけど、何か見ちゃうんだよね。