【完】すき、好き、大スキ。
璃久の肩からでも、わかる。
速い心臓の音。
あたしだけのじゃなくて、
このドキンドキンって速いのって璃久もだよね?
ヤバイ。
わかっちゃったかも。
ムカツクの意味……わかっちゃったかも!
「璃久、それってヤキモ……ぶっ!」
後頭部を掴まれたままの腕に、
思いっきり力を込めてあたしを押さえつけた璃久。
「煩い、お前喋んな」
って、そんな勝手な。
でも予想に反して、璃久の顔は怒ってた。
あたし的に、絶対真っ赤だって自信あったのにな。
言いたい事も言わせて貰えず、不完全燃焼だけど。
璃久の言う通りにシャツを羽織った。