【完】すき、好き、大スキ。



「はぁ」



これまた重い溜息が聞こえる。

どうせ、またウザイ事言ってるとかしか思ってないんだろな。


でもさ、好きなんだもん。

触れたいんだもん。


それが璃久の愛情を計るバロメーターなら、もっと強引にしてくれたって嫌なんかじゃない。


口で言うのが苦手なら、言わなくたっていい。

冷たいのが性格なら、直さなくたっていい。


ギュッて抱きしめて、あたしの不安になる心を消してくれれば何の問題もないよ?


抱きついたまま璃久を見上げると、いったん目を逸らされた。



そして、


――ドン

とその場に、あたしは押し倒される形となってしまったんだ。




< 157 / 381 >

この作品をシェア

pagetop