【完】すき、好き、大スキ。
目頭が熱くなり、璃久の顔が歪んで見える。
「お前……俺の事、ほんまに男って思ってる?」
不意に言われた言葉に、え? と掠れた声で返事をした。
真っ直ぐに真剣な目を向けられ、それ以上の言葉が出ない。まさにそんな状況。
意味がわからない。
そう思った時には、あたしの唇に璃久が触れていた。
「……んっ」
この間したキスとは違う、深い大人のキス。
あたしの中に入ってきた舌が熱い。
どこで息をすればいいのか、わかんなくて。
どう答えればいいのかも、わかんなくて。
ただ、そのキスがあまりにも乱暴で、目頭から涙が一筋流れた。