【完】すき、好き、大スキ。
鳴り続ける機械音は、留守番電話サービスへと変わる。
もう一度、かけ直しながら
こんな電話に慣れてしまったあたし。を客観的に見てしまった。
メールの返事なんて、ない。
携帯だって、出てくれない。
そんな人を何で好きなの? って。
どこがいいの? って。
璃久の何が好き、どこが好き、なんてわかんない。
気付けば、好きで好きで、好きで仕方ないんだ。
塾から出て来た璃久を見ただけで、胸が跳ねる。
当たり前のように近付いて来てくれただけで、顔が赤くなる。
一緒に歩く道のりが、短く感じる。
バイバイって別れる時、急に寂しくなる。
璃久の事を考えるだけで、哀しくなったり嬉しくなったりする。