【完】すき、好き、大スキ。
「おい。って」
靴を脱ぐ寸前で立ち止まってしまったあたしは
「ちょっとだけだから、ね?」
振り返ることも出来ずに、
後ろに居る璃久のお願いした。
「……あがれば」
すんなりOKを出してくれた璃久は、あたしの隣を通り過ぎ先に階段へと向かう。
あまりにも簡単に進む事に、キョトンとしていたあたしの方へ振り返り
「あがれへんの?」
さっきのは夢?
そう思っちゃうくらいに。
だけど、やっぱり夢なんかじゃない。そうわかったのは、
「俺、迷惑っつったやろ。 何で来た?」
部屋のドアを閉めて振り返ったあたしと、ベッドに腰掛けた璃久の目線が絡んだ時だった。