【完】すき、好き、大スキ。



「そか……」



璃久が勝手な彼女にしてくれたのも、
キスしたのにも、
深い意味はなかったんだ。



予想通り。



あたし、何を期待してたんだろう。

ちょっと、ほんのちょっとだけ意味があるんだって思ってた自分が恥ずかしいや。



「璃久に気持ち押し付けてばっかでごめんね。
璃久の気持ち、無視してごめんね。
迷惑な事ばっかりして……好きになって、ごめんね」



本当に、ごめん。

璃久、ごめんね。



「でもね、あたしは璃久が可愛いから好きになったのでも、手に入らないから追いかけたんでもないよ。
本当に好きで……」



あー、何か泣きそうになる。

これ以上、言ったら絶対泣いてしまう。



「泣いてん?」

「ま、まだ泣いてないよ!」



ふと言われた言葉に、
俯いたままの顔をあげて反論した。




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