【完】すき、好き、大スキ。



「なーんや。泣けばいいのに」



って、はぁ!?

ベッドから立ち上がり、テーブルの前に座りなおした璃久が残念ともいえる言葉を呟いた。



「何で?」

「別に」



……意味がわからないっ!

何であたしが泣いてないと、つまらなさそうなの!?



「璃久ってさ。
言葉少なすぎるよね!」



ドアの前に立っていたあたしは、ズカズカと中心へ進み璃久の前へと腰を下ろした。



「言ってる意味が全然わかんない」

「それは、お前が阿呆やからやろ?」

「そりゃそうだけど。相手はあたしなんだから、もっとわかるように説明してよ」

「何で俺がせなあかんねん。理解力をつけろ」



むー!

そうだけど、そうだけど!

本当に、その通りだけどっ!



「わかんないんだから仕方ないじゃん!」



なんて我儘なんだろうか。と自分で思ってしまった。



勝手過ぎる、あたし。
仕方ない、で片付けちゃったよ。



< 170 / 381 >

この作品をシェア

pagetop