【完】すき、好き、大スキ。
急に静かになった部屋で、
あたしはソーッと璃久の顔を見つめた。
「お前が悪いんやんけ」
璃久がボソッと呟く。
「俺を男として見てへんやろ」
へ?
「だから、お前ムカツクねん」
次から次へと璃久から零れる言葉に、
「男って思ってるよ?」
としか返す言葉が見付からなかった。
「お前と俺の男は、根本的なところが違う」
……根本的っすか。
その意味がイマイチわからないんですけど。
首を傾げるあたしに向かって、ハチミツ色の頭をかきながら俯いた。
「何で俺が、こんなこと言わなあかんねん」
ブツブツ呟き。
「お前の好きは小学生並。俺のは……」
そのまま黙った璃久は、両手で頭を抱え込んでしまった。