【完】すき、好き、大スキ。
「Hしたいって事?」
「……は!?」
あたしの言葉に、
目を丸くさせて
口をポカーンと開けた璃久は、
そのまま止まってしまった。
よくわからないけど、
璃久がやたら拘ってる
あたしと璃久の思ってる
“男”の違いってソレしか思い浮かばないんだけど。
「いいよ? あたし、璃久の事ちゃんと男だと思ってるもん」
そう言いながら、少し離れた璃久に近寄った。
「ちょっ、はっ? えっ、おい!」
「璃久?」
「はいっ! って何でやねん。や、待てって」
やたら焦る璃久に近付くも、
どんどん後ろへ下がって行ってしまう。
ついに壁へと背中をつけた璃久は、見たこともないくらいに大慌てで。
あたしは、思わず笑ってしまった。
「な、何笑っとんねん!」
キレ気味の璃久は、あたしを睨んでて。
いつもなら恐い目付きも今日だけは恐くない。
むしろ、
「可愛いー」
「ほら。お前がそんなんやから……」
一気に機嫌を悪くして
膨れた璃久がこれまた可愛い。