【完】すき、好き、大スキ。

「ったぁー！」



ガタンといい音をさせて、
あたしのお尻に来る振動に思わず声を張り上げてしまった。


前で運転する璃久の肩が微かに揺れる。



「ちょ、璃久！　今のわざと段差通ったでしょ！？」

「は？　偶然や偶然」



荷台には何も敷いていないから、
ちょっとの段差でもお尻に来る振動が凄く痛い。



「もー、なら気をつけてよねー。って、いったーい！」



またもや、ガタンと音をさせた自転車とお尻に来た振動。


やっぱり璃久の肩は揺れていて。



「ほら、わざとじゃん！　お尻、本当に痛いんだからねー！」



璃久の後ろは嬉しいけど、
痛いものは痛くて。



そこは怒ってしまう。