【完】すき、好き、大スキ。



わかってるのに。

わかってたのに。



「俺、迷惑っつったやろ。 何で来た?」



また冷たい言い方をしてしまった。


こんな言い方するつもりじゃなかってん。

ちゃんと梢の話聞いて、俺の思ってる事も理解出来るまで説明したる。

そう階段をのぼってる時は思ってたのに。



「あたし、本当に迷惑……かな?」

「じゃないと、思う?」



一回言った事は後には引きにくい。

俺の悪い癖。



ごめんね。
って小さく呟き、
聞きたい事があると言った梢は俺から目を逸らした。


たったコレだけの事。


それに俺の胸がチクッて刺されたみたいに痛くなって。



「どうして、勝手でも。彼女にしてくれたの?」

「……お前が、そうせな来られへんつったからやろ」



その質問にも冷たく答えてしまう。



「じゃあ、どうしてキスしたの?」

「お前が……ムカツク事ばっかするから」



この質問にも同じで。



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