【完】すき、好き、大スキ。
それを見て、俺は梢の首の後ろに手を回すと。
さっきよりもきつく。
さっきよりも長く。
さっきよりも深く。
キスをした。
少し苦しそうな甘い声を出す梢に気がついて
慌てて唇を離し、抱きしめる。
だって、今の俺……絶対に見せられへん顔してると思う。
ギュッと抱きしめて、はぁーっと重い溜息を吐き
冷静さを取り戻そうと必死になる。
そうやって頑張ってる俺の努力空しく。
「璃久ー、好き!」
背中に腕を回し、ギューっと抱きついてくる梢。
……本間、押し倒すぞゴラ。
って、本気で考えたけど。
「……だから、お前わかってへんねん」
あまりにも嬉しそうな、その表情に。
俺は必死に耐えてみた。
だけど待つのは、受験が終るまで。
そんな決意は梢の為か……それとも俺の為か……。
【side-RIKU END】