【完】すき、好き、大スキ。



「失礼しまーす」



重い気分と、
重い足と、
重い声で

相談室のドアを開いた。


中には先に座ってた担任が
白い紙を机の上に広げて睨めっこしている。



「おお、ここ座れ」



そう促された茶色のパイプ椅子に座るとギシッと音がした。



「お前なぁ、どうすんだ?」

「何が、ですか?」

「はぁー。受験か就職かだよ」



ニヘッと笑うあたしに
小さく溜息を吐き、
見ていた紙から視線をあげ



「それとも他に何かしたいこととかあるのか?」



って、少し驚いて聞かないで欲しい。


どうせ先生だって、

まさかお前に。

なんて思ってんでしょ。



その通りですよーだ。
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