【完】すき、好き、大スキ。
ユリアの作戦
大嘘を吐いた事への後悔は、
それはまぁ大きいもので。
あたしを好きだなんて言う男の子は、
多分この世に存在しないのかもしれなくて。
実は璃久も勘違いしてるんじゃないのかな、
とか思っちゃって。
あ、璃久の勘違いじゃなくて。
あたしが勘違いしてるのかもしれないな……っと。
「梢……恐いよ」
頭上から降ってくるユリアの言葉にも、
その通りだね。としか思えない。
「それ日記?」
あたしの前の席に座り、
さっき担任から配られた手紙の裏に書き綴る言葉を見て苦笑いを零した。
「ううん、ポエム……かもね」
「……嫌なポエムだね。後、声に出すのはやめた方がいいよ?」
苦笑いは、どんどんと引き攣っていく。