【完】すき、好き、大スキ。
「ユリアは気にならない? 彼氏が女の子と出かけても」
あたしが書いていたポエムを読み返しては笑う、ユリアに聞いてみた。
ん、私? そう言いながら、
机に置いたあたしに書いたポエムを自分の机の中に押し込んだ。
今更ながら、ちょっと恥ずかしくなったんだもん。
こんなの書いてバカみたいだし。
「あたしは気にならないかなぁ。ま、状況にもよるけどね」
「何で!? 何で気にならないの!?」
「んー。だって部活の買い出しでマネと2人で行ったりしてるもん」
ユリアの彼氏は、確かサッカー部だったけ。
「でも、それはクラブだからじゃん!」
そうだよ。
璃久の場合と全然違うもん。
「あー、そうかもね。でもさ、塾って神楽弟のクラブみたいなもんじゃない?」
「えー。違うよー」
「じゃあさ。神楽弟がサッカー部だったとして、マネと2人で買い物はいい?」
ユリアに言われた事を想像してみた。
スポーツバックを肩からさげた璃久が笑顔で話しながら買い出し。
隣にいるのは、長い髪を揺らした……後藤さん!
「ない。絶対ない!」