【完】すき、好き、大スキ。
「はあああああ?」
さっきまで泣いていたあたしの涙はピタッと止まり、
不敵な笑みを零すユリアの言葉にただ驚くしかなかった。
「ちょ、それ、まじで!?」
「そう! 嘘に嘘を重ねれば本当にもなるんだって!」
いやいや、嘘に嘘を重ねれば、ただの大嘘じゃん。
それなのにユリアの表情は自信満々で。
「これで神楽弟の気持ちもわかるかもよ?」
その言葉に心が揺れ。
「ヤキモチとか妬いて貰いたいよねぇ?」
その言葉に心が決まり。
「でも失敗した時は悲惨だけどね」
この言葉に心は再び揺れる。
「でも、どっちにしろ嘘吐いちゃったもんね」
そう。
嘘吐いちゃったよ。
今更、嘘でした。なんて絶対に言えない。
それなら!