【完】すき、好き、大スキ。

嘘+嘘




次の日。

あたしが駅前に着くと、作戦は実行された。



「ごめんね、一樹(カズキ)」

「んー、いいけどよー」



嘘を本当にしちゃえ作戦と名づけたユリア。


あたしの事を好きって言ってる人を本当に作ればいいんじゃない?


なんて軽く言ってくれて。


だけど、そんな人が本当にいるわけもなく……一樹を一日レンタルしたのだ。



嘘に嘘を乗せて、大嘘が歩き出す。



「で、今日1日は付き合ってるって設定だっけ?」

「違うよ! 一樹があたしに片想いしてて振られたけど諦めきれなくて、1回デートしてくれたら諦める。って設定でしょう?」

「あー、ユリアが言ってたっけ。つか、ややこしいな」



……本当に大丈夫かな。

既に不安要素たっぷりなんですけど。


そもそも、この設定もどうなの?

あたしが告白された事を
璃久に言ってない時点で無理がある気もするんだけど。





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