【完】すき、好き、大スキ。
「相手って神楽の弟なんだろ?」
「うん。璃久って言うんだよ」
「神楽みたいに軽い奴なの?」
「ううん。間逆の性格だよ」
「へぇ~。てか梢、彼女なんだよな、弟の」
「……うん」
「じゃあ何でこんな事してんの?」
……そこは、あえて聞かないで欲しいんだけどな。
って、あ!
来た!!!
「ちょっと、一樹隠れて!」
「へ!?」
駅前に璃久の姿を見つけたあたしは、
一樹を植え込みの影へと引っ張った。
草の間から、じーっと観察するあたしに
「何で隠れんの?」
隣でキョトンとした顔をする一樹を無視して、
あたしは璃久を見つめる。
まだ、後藤さんは来てないか。
「あの髪、黄色いのが弟?」
うん、と頷いたあたしに驚いた表情を見せる。
「神楽と似てねー。すんげぇカッコイイじゃん」
「でしょー」
褒められて、何故かあたしが得意気になってしまった。