【完】すき、好き、大スキ。
「なぁ、梢。これカッコよくね?」
そう雑誌を広げて、
あたしに見せる一樹を横目で睨むと
「あ。ごめんごめん。完全に忘れてた」
って、笑ってる場合じゃなーい!
本当に一樹で大丈夫なわけ?
ユリアも、もうちょっとまともな人にお願いしてくれればよかったのにぃ。
って、あたしのことを好きな設定までお願いしてるのに我儘は言えないんだけど。
……。
それでもさぁー。
今、謝ったばっかのくせに一樹は、また雑誌に夢中で。
雑誌を買うか買わないかで悩み、
雑誌のくせに高ぇーって煩くて。
人選ミスかも。
と本気で思ってしまった。