【完】すき、好き、大スキ。



「好きなんだって。あたしのこと好きなんだって思えるのは一瞬でね。
その一瞬が過ぎると不安で溜まんないの」



だから、こんな事しちゃうんだ。

彼女なのに、ストーカーみたいなんだ。



一通り話し終えると、
目頭が熱くなって、

視界が歪んだ。



「そんなの皆同じじゃね?」

「へ?」

「好きな奴といー感じだ!
って思ってさ。
こりゃイケルかも♪
とか思っても
次の日には何か微妙だったり。
とかあるじゃん」

「うんうん、ある!」

「だろー? 好きだからこそ思うとこなんじゃねーの?」

「そうなのかなぁ?」

「ま、お前の場合はヤリ過ぎだけどな」



ケケっと笑った一樹に文句を言ったら、

さっきまで歪んでいた視界が鮮明になっていた。


バカだと思っていた一樹も、まともなこと言うんじゃん。



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