【完】すき、好き、大スキ。



「梢、まさか簡単に考えてね?」



頭の中で冷たい璃久が勝った瞬間、
一樹は苦笑いを零していた。



「ヤキモチ妬いて貰えたら謝って、俺とはもう会わないーとか言えばいっかって」

「え!? あたし口に出してたの!?」

「やっぱりなぁ」



呆れた笑い見せ、

口には出してないけど

と続けた一樹は



「そんな簡単な事で終わると思うか、普通?」



と付け足した。



「ヤキモチってお前も妬いてんだろ?
なら、わかるんじゃん。
神楽弟が今会ってる女の子と何の関係もない。もう2人で会わない。
そう言われても不安残んね?」



あー……

それは、そうかも。

塾では会うわけだし。

後藤さんは頭良いもん。



璃久とあたしの関係よりも、ずっと近い。



< 225 / 381 >

この作品をシェア

pagetop