【完】すき、好き、大スキ。
繋いだ手
まじで、有り得ない。
本当に有り得ない。
何で、
何で、
何で、
ここで転ぶかなぁ。
転んだままのあたしは顔をあげることも出来ず、
下を向いたまま放心状態。
「梢、いける?」
あたしの隣にしゃがみ込んだ一樹の顔を見ると、
心配。そんな顔じゃなくて、ヤバイ。そんな顔だった。
バカなあたしでも予想はつく。
さっき聞こえた後藤さんの声。
後藤さんが気付いたんなら、
璃久が気付いていないわけがない。
ううん、こんな派手な転び方したんだもん。
周りの人、皆気付いているよね。
穴があったら入ってしまいたい。
それよりも、このまま猛ダッシュして外へ飛び出してしまいたい。