【完】すき、好き、大スキ。
「璃久……っ!?」
少し声を大きくして言い返そうとした、あたしの手を引き。
気付けば引き寄せられた体は
璃久の胸の中にスッポリと納まっている。
あ、れ。
璃久、また少し大きくなったかも。
なーんて、ことを思ってる場合じゃないんだった!
「璃久!?」
「後藤は俺のタイプちゃうから安心すれば?」
あげようとした顔は、
ギュッと抱きしめられ出来なくて。
クスクスと笑い声と共に降ってきた言葉に、また驚いてしまった。
「え。そうなの?」
「そ。だから、大丈夫ちゃう?」
疑問系にされたのが
ちょっと気にはなったけど。
“好きにならない”
その言葉よりも安心出来た気がした。