【完】すき、好き、大スキ。
「で、璃久。早く帰りなよ!」
家の前に居るのに、
未だあたしの前に立ちっぱなしの姿に声をかけた。
「……ん」
何か言いたげな顔をして
返事をした璃久があたしに背を向ける。
それを見つめながら、
あー、やっぱり好き。
なんて改めて思っちゃって。
対等とかそんなことよりも、
もっと璃久と一緒に居たいなーって気持ちの方が強い。
“かまってもらってる”それでもいいじゃん。
だって、あたし。
かまって欲しいもん。
どうせ、あたしから行かなきゃ、
かまってすらもらえないのに
それを自ら距離を置いてどうこなる関係じゃ今更ないよね。
つい数日前に固く決意した想いは、意図も簡単に崩れ去り。
あっという間に、元のあたしの考えに戻ってしまう。