【完】すき、好き、大スキ。
「くだらん事ばっか考えて……本間、阿呆やでなぁ」
「……ごめん、なさい」
「謝るくらいなら、お前はいつも通りしとけ。こっちが疲れるわ」
「すみません」
謝る事しか出来ないあたしに、
なんども璃久のお馴染みの溜息が聞こえてくる。
「まぁ、お前らしいけどな」
腰掛けたままあたしを見上げフッと笑った瞬間、あたしの腕を勢いよく引き寄せ
触れるだけのキスをした。
本当に一瞬で。
何が起きたかわからないままに終わってしまったキス。
唇に手を当て
璃久を見ると
もう腰掛けていたポールから立ち上がり背中を向けて歩き出している。