【完】すき、好き、大スキ。
ハッピーバースディ-KOZUE
「むうー。……。ふむー。……。あむー」
「あー! もう何!?」
就職も無事決まり、
後はのほほーんと卒業を待つだけのあたしが隣で唸ってるのを、やぁーっと気付いてくれたユリアは鬱陶しそうに顔をあげた。
「あ、いいんだよ。邪魔しちゃったなら…」
「あっそ。なら邪魔しない、で。って、話したいことがあるなら素直に言えばいいでしょう。そんな顔でアピールしなくても……はぁ。で、何よ?」
シャーペンを机の上に置き、
大きな溜息を零して
見つめてくれるユリアに、
あたしの瞳は輝いた。
「うん、あのね! 誕生日会どうしようかと思って」
「誕生日会? 神楽弟って、確か早生まれじゃなかったっけ?」
「璃久は3月だよ。璃久じゃなくて、あ・た・し!」
「あー! 梢、誕生日じゃん!」
目を見開き、
顔全体で驚きを見せてくれるユリアは、
どうもあたしの誕生日なんて忘れてたみたい。
別にいいんだけどね。