【完】すき、好き、大スキ。
「璃久、成長期だぁー」
小走りに璃久の隣に並び、
下から覗き込んだ。
「いーなー。あたしなんて成長止まっちゃってさ。
後ちょっとで160センチになれるのにー」
別にコレといって返事があるわけでもなく、
あたしは話し続ける。
「あ、それ何?」
多分、さっき頭を叩かれた物を持つ璃久の右手を指差した。
「夏期講習の予定表」
へ?
夏期講習?
「……夏休みの塾の日が書いてある紙や」
とてつもなく鬱陶しそうに説明された、
あたしはやっと理解できた。