【完】すき、好き、大スキ。



「あんだけ誕生日っていうから、プレゼントくれって言うてんやと思って用意したけど……ケーキちゃうしな」



そう言いながら、
黒い袋にピンクと白のリボンが
つけられた袋を鞄へと入れようとする璃久に



「えええええ! ちょ、ちょっと待って!」



と必死に手を伸ばし焦ったあたしは顔をあげた瞬間、気付いた。



璃久の口角がクィっと上がってる事に。



あ。

もしかして、わざとやってる……?



そう気付いたあたしは、伸ばした手を引っ込める。

そして、再び頬を膨らまして



「……欲しい」



って呟いた。



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