【完】すき、好き、大スキ。
やっと出てきたサプライズな誕生日プレゼントは
「マフラー?」
だった。
「こ、これから寒いし。お前、いっつも薄着やから……いらんかったら捨てたらえーし」
あたしが璃久に視線を向ける前に、
璃久の口からどんどんと溢れ出した言葉。
いつもより、ちょっぴり早口で。
ほんのり頬を赤くさせて、そっぽ向いて。
これって……照れてるって事でいいんだよね?
「絶対使うー!」
マフラーを首に巻き、
両手で抱きしめるように持ったあたしは、
多分体中から“嬉しい”を発してるはず。
「璃久、ありがとー!」
「……ん」
「璃久、すきー!」
そう叫ぶと、やっぱり璃久は怒って。
「んな、叫ぶな。阿呆」
だってさ(笑)