【完】すき、好き、大スキ。
「って、あれ? いつものコンビニ行かないの?」
璃久の家に戻る途中にコンビニがある。
それなのに璃久は、
いつもは曲がらない道を曲がった。
「阿呆か。この間、お前が泣き叫んだやろが。だから当分行かん」
ぷっ。
思わず、噴出すと、
「何やねん!?」
勿論それを璃久が見逃すはずはなく、
一気に怪訝な顔をする。
「璃久って可愛いとこあんだね」
「はぁ?」
だって、それって恥ずかしいから
行きたくないって事だよね。
そんなの誰も覚えてないと
思うんだけど。
「……何か、お前生意気やな」
ふふふ、と笑うあたしに
ボソッと呟くと先々歩いて行ってしまった。