【完】すき、好き、大スキ。
「お前、今、絶対、可愛いって思ったやろ?」
いつもより低い声で聞いてきた璃久に、
あたしは顔をこれでもかってなくらいに左右に振った。
ここで、うん。なんて言ったら、また璃久の機嫌が悪くなる!
だけど、璃久には
そんな事お見通しらしく。
「可愛いっつったら……」
「な、何?」
璃久の変な間に、身構えるあたし。
何だろう。
塾前で待つの禁止とか?
無理無理無理!
そんなの1日でも無理!
喋るの禁止とか?
やだやだやだ!
そんなの我慢できない!
隣に並んじゃ駄目とか?
ないないない!
そんなの出来るわけがない!