【完】すき、好き、大スキ。
「……やっぱ、いいわ」
はぁーっと小さく溜息を吐き、
梢の掌を握ると思った反応はなかった。
梢の事やから叫んでそうやのに。
静かに俺に引っ張られるだけ。
梢も成長したって事か。
そう思った矢先、
「り、璃久? どどど、どうしたの!?」
……やっぱりかよ(笑)
まあ、これが梢らしくてえぇけどな。
「璃、久ー……」
って、何で泣きそうな声出してんねん。
「……何やねん。手繋ぐん嫌なんか?」
チラッと振り返り聞くと、
フルフルと顔を横に振った。
「なら、えぇやんけ」
コイツの反応だけは、
毎回イマイチようわからんわ。