【完】すき、好き、大スキ。
璃久の隣には、
綺麗な女の子が一人。
サラサラの黒髪を耳にかける仕草が
やけに大人っぽい。
璃久のハチミツ色の髪のせいか
よけいに黒髪が映える。
誰?
あたしの心の中に浮かんだ、
ひとつの言葉。
その女の子に手をあげて別れ、
あたしの方へと歩いて来た。
いつもなら、璃久しか見えていないあたしも今日は別。
だって、気になるもん。
いつも塾から出てくる時は人が減った後。
それに、いっつも一人じゃん。
その女の子は璃久の背中を見つめているのか。
それとも、あたしを見ているのか。
わかんなかったけど。
暫く璃久を見つめた後、
友達の輪へと戻って行った。