【完】すき、好き、大スキ。
唇を離し、恐る恐る璃久を見上げると
璃久の顔は真っ赤に染まってて。
あまりの意外な展開に、
あたしは驚いてしまった。
そして、それが伝染したかのように、
あたしの頬も赤く染まる。
「お前は……本間……」
ポツリポツリと呟く璃久に、
やっぱりあたしの頭の中はいつもと同じ。
「璃久ー!」
そう大きな声を出し抱きつくと、
あたしの背中に回る璃久の腕。
「うう……」
「ぶっ。また泣いてるやろ? で、どうせ言うんやろ?」
何でもお見通しの璃久に叶うわけなく。
今日はおもいっきり叫ばしてもらう事にした。
「すき、好き、大スキーーー!」
勿論、いつものお約束の展開が来ると思っていたあたしは、
耳元でボソッと聞こえた声に、また涙が出た。