【完】すき、好き、大スキ。



「ありが……」

「知らなかったんですか?」



お礼を言おうとした時、
女の子と声が被ってしまった。



「え、あぁ、はい」



その質問に苦笑いを浮かべた。



璃久の携帯の番号もアドレスも
兄である神楽から教えて貰ったし。

やきそばパン2個と引き換えに。

それに、携帯にかけても
出てくれる回数の方が少ないし。

メールなんて一方通行だもん。



だから、日程が変わった連絡なんて来るわけがないんだ。

それよりも待ってる事すら、
あたしの勝手なんだもん。



「いつも待ってるから彼女さんなのかと思ってたんですけど……」



うっ。



ここで、


そうです、彼女なんです!


って言ってしまいたいけど……
後でバレた時の璃久の顔が思い浮かんで恐くなった。




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