【完】すき、好き、大スキ。
お昼に起きて来て、遅めの昼食を取り。
リビングで、ワイドショーを観て。
その後の再放送のドラマを観ている最中のあたしは、
「あたしの部屋にテレビがないのが悪いんじゃん」
そうポツリと呟きながら立ち上がると、
お母さんの鋭い視線が飛んできた。
恐っ。
そーっと目を逸らし、自分の部屋に逃げようとしたら
「梢、お花に水あげてくれたんでしょうね?」
怪しげにあたしを睨むお母さんの目。
あ、やばっ!
パートに行く前に言われた事を思い出し咄嗟に嘘を吐く。
「あげたよ! 今日暑いから、もう一回あげてこようかな」
なんて、本当はまだ水なんてあげてない。
だけどバレたら絶対怒られるもん。
「あら、そう? 悪いけどお願いね」
なんて、ちょっと機嫌を直したお母さんを横目に取りあえず部屋へと着替えに走る。
だって、あたし。
まだパジャマだもん。