【完】すき、好き、大スキ。
「ちょ、璃久! 傘返したんだよ?」
帰ろうとするのを引き止め、
立てかけられた傘を取り璃久に渡そうとした。
「お前、日本語も理解出来んのか?」
「へ?」
「俺は返せ。っつってへんやん」
「そ、そうだけど」
てか璃久って……強情過ぎない?
返してるんだから、
受け取ってくれればいいだけの話なのに。
って、あたしもそうか。
勝手に返してるんだもんね。
あたしって、
こんなところも含めて全てが迷惑なんだろうな。
傘の話はしてくれても、
手紙の事には一切触れてくんないし。
やっぱり璃久にとって、あたしって……。