【完】すき、好き、大スキ。
「ねぇ、璃久!」
あたしに背中を向け、
歩き出そうとした璃久を呼び止めた。
面倒臭そうな顔を向けた璃久に
「ごめんね」
精一杯の笑顔。
きっと引き攣ってた、
そんな笑顔じゃなくて。
きっと苦笑いに近い、笑顔。
「何が?」
「迷惑ばっかけて、さ」
この言葉を言うだけで、
何だか泣きそうになった。
璃久に会わなくなっても泣かなかった。
それは現実なのに、
現実だと思えないあたしが居たから。
だけど、いざ璃久を目の前にして。
ちゃんと終わりを告げようとしたら……急に迫って来た。