【完】すき、好き、大スキ。
梢の瞳に溜まった涙は消え、その代わりに
「り、璃久って、あたしの事好きなの!?」
阿呆みたいな大声が戻った。
「……んな阿呆な」
俺がお前を好きとか、あるわけないやろ。
「へ? だって今! 彼女になっていいよ。って言ったじゃん!」
「誰が彼女になってえぇ。つってん。勝手にっつったやろが。お前の脳ミソはどうなっとんねん」
こいつは、勝手って言葉を削除したな。
「勝手でもいいの!? 本当にいいの!?」
「好きにすれば?」
「それでもいい……それでもいいー!」
そう叫んだ梢は、また今まで通りに戻って。
しかもパワーアップして。
「璃久、好きーっ!」
って抱きついて来た。