【完】すき、好き、大スキ。



『聞いた俺が阿呆やったわ』



何度も吐く溜息に



「璃久はアホじゃないじゃん」



なんて言ったら



『んなもん、わかっとるわ』



と怒られてしまった。



自分で言ったくせに。
なんて思いながらも、
これ以上機嫌を損ねるとヤバイ。そう察知したあたしは黙る。



たった何分かの電話で何度聞いたかわからない溜息をもう一度零して



『明日、塾終わった後でもえーなら来い』

「え!? いいの!?」

『めっちゃメンドイけどな。
あ。お前、課題持って来るん忘れたとかサムイ事言うんちゃうぞ?』

「う、うんっ! 帰ったらすぐ用意するねっ!」



大きな声で言ったあたしに、遠足か。って呆れた声で呟いた璃久。




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