強い女はいつだって…
4年前の朝倉町。至って普通の都会で、不良はいるしギャルもいるしバーゲン好きなうるさいおばさん達もいる。綺麗な物と言ったらビルくらいしかない。新しい物ばっかり建てて、緑増やせよって思う。
「凛堂さん、ここの公式わかる?」
椅子から立ち上がり、教壇に立つ。黒板にすらすらと書かれていくいくつもの数字。
「正解です。」
クラスの皆がおお~と、感心してくれた。
そう、この時までは普通の女の子だったんだ。それは、あたしがまだ中1の始まりで友達も沢山いて、毎日生きる事が楽しくてしょうがなかった時、いつも通う通学路の帰り道に起きた。
「ふんふ〜ん。」
呑気に鼻歌を歌いながら夕日に向かって歩くのが日常。
「おい、そこのケースの中身確かめな。」
ぱっと左を見れば、ワクワク公園の滑り台の前で大きな黒い鞄を持ったサングラスの男の人がいた。
取引?
今時そんな裏仕事があったなんて思いもしなかったけど、あれは完全に取引をしている。とりあえず関わったらあたしの命が危ない、そう思って通り過ぎろうとしたら…
《パキッ》
あ~あ、やっちゃったよ。
「誰だ!?」
誰だって言われて答えるあたしではない。とにかく逃げなきゃ!
「あ!待て!」
待てって止まったら絶対殺される。
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