ラグタイム
「男の裸に欲情する趣味なんてねーだろうが」

呆れたように言った武人に、あたしは今は男だと言うことを思い出した。

「あっ、そっかー!」

ペチリと額をたたいたあたしに、
「はっ?」

武人は訳がわからないと言う顔をした。

「何が?」

そう聞いてきた武人に、
「いや、その…こっちの話」

あたしは笑いながらごまかした。

「まあ、別にいいけど…。

もう時間になるからさっさと着替えろよ」

「あー、わかったわかった」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

武人が更衣室から出て行った。
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