ラグタイム
藤本さんは唇を開くと、
「朝貴の捜索は俺の知り合いの探偵に任せた。

時間は警察よりもかかるかも知れないけど、やらないよりはまだマシだって思ってる」
と、言った。

「よかった…」

あたしはホッと息を吐いた。

「だけど、いつ見つかるかは俺もわからない。

半年、ヘタしたら1年かかる可能性だってある」

そう言った藤本さんに、
「そうですよね」

あたしは言った。

警察は相手にしてくれなかったから、藤本さんの知り合いの探偵に頼んだのだ。

彼の言う通り、時間がかかることは間違いないだろう。

「そこで、何だが…」

藤本さんはあたしを見つめた。

「えっ?」

嫌な予感がしたのは、あたしの気のせいだと信じたい。
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