ラグタイム
「あの星が彦星で、あの星が織姫だな」

武人が空を指差した。

「えっ、どれが彦星だって?」

マネをするように空を指差したあたしに、
「あれだよ。

あの1番明るいヤツが彦星だよ。

織姫はその向こう側に」

武人が説明してくれるけど、あたしには星が全部一緒に見えて仕方がない。

「まあ…要は2人は今、年に1回のデートを楽しんでいるって言うことなんだね」

そう言って話を切りあげたあたしに、
「まあ、そう言うことになるな」

武人は納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。
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