ラグタイム
「あの、武人さん」

僕は武人さんに声をかけた。

「武人さんにはおつきあいをされている方はいますか?」

そう質問をした僕に、
「何でそんなことを聞くんだ?」

武人さんが聞き返した。

「『ラグタイム』は客との恋愛は禁止のはずだろ?」

そう言った武人さんに、
「そ、そうですね…」

僕はあいづちを打つことしかできなかった。

「それに俺はそう言ったヤツを作らない主義なんだ」

武人さんが続けて言った。

「今は仕事に集中したいと言うヤツですか?」

そう聞いた僕に、
「ああ」

武人さんは首を縦に振ってうなずいた。
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