ラグタイム
藤本さんと手を繋いでホテルに入ると、中華料理店へと連れて行かれた。

入口のところにいたのは白髪にスーツを着た初老の男と着物をきた中年の女の人だった。

この2人が藤本さんの両親だなと、あたしは思った。

「父さん、母さん」

藤本さんが2人に声をかけた。

思った通り、やっぱり藤本さんの両親だった。

「彼女が今おつきあいをしている、白石夕貴さん」

藤本さんが両親にあたしを紹介した。

「初めまして、白石夕貴です」

あたしは2人に頭を下げた。

「夕貴さんは建築会社のOLとして働いているんだ」

そう言って紹介をした藤本さんに、
「まあ、OLさんなの」

藤本さんのお母さんが笑いながら言った。
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