ラグタイム
「まあ、ここで立ち話もなんだろうから料理を食べながら…」

そう言った彼のお父さんに、
「はい、ありがとうございます」

あたしは頭を下げた。


食事を終えてホテルを出ると、
「じゃあ、気をつけて帰ってくれよ」

両親をタクシーに乗せると、藤本さんが言った。

「ああ、今日は楽しかったよ」

藤本さんのお父さんが満足そうに言った。

「夕貴さん、今度家に遊びにきてね」

藤本さんのお母さんは楽しそうに笑いながら言った。

「ありがとうございます。

では、おやすみなさい」

あたしは頭を下げた。

「はい、おやすみ」

バタンとタクシーのドアが閉まった。
< 207 / 340 >

この作品をシェア

pagetop