ラグタイム
「約束通り、お前の休日を奪った償いをしてやる」

「ホントですか?」

「ホントも何も、最初ッからそうするって言う約束だったじゃねーか」

あたしはどうしようかと考えた。

若頭藤本にはしょっちゅうと言っていい程、ひどい目にあわされてるからなあ…。

「仕返しとか考えてんじゃねーぞ。

と言うか、若頭って何だ、若頭って」

「おおっ!?」

驚いたあたしに、
「全部口で言ってんだよ」

藤本さんが呆れたと言うように言い返した。

「まあ、すぐには思い出せないだろうな。

仕方ないか」

藤本さんは人差し指で頬をかいた。
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